iPhoneの普及に伴いMacユーザーは日本国内でも非常に増えておりますが、バッテリーの故障と思われる原因に悩まされている事はないでしょうか?
以下ではMacのバッテリーについて、実際にあった修理事例を元に詳しく記載をしたいと思いますので、バッテリーが膨張しているかも?今すぐ交換と表示されている方は参考にしてください。
Macのバッテリーに使われているリチウムイオンバッテリーとは何か?
バッテリーの種類は色々とありますが、「リチウムイオンバッテリーは従来のバッテリーよりも軽量で長持ちするように効率良く作られている」とあります。
ただし充電回数に限りがあるために寿命があり、この寿命を短くする、長くするはユーザー次第という事です。
バッテリーの寿命を長くする方法としてApple公式サイトに掲載がありますが、
「最新のソフトウェア (Mac OS) にアップデートする」
「極端な周囲温度を避ける」
「ケースはできるだけ使わない」
「保管する場合はバッテリーの残量は50%程度」
となっておりました。
最新のソフトウェア (Mac OS) にアップデートする
WindowsでいうとWindows7、8、10といったように異なったOSが存在しますが、Macも同様に様々なOSがあります。
現時点(2018/2/19)では、macOS High Sierraが最新バージョンになっておりますが、使うアプリ、ソフトによっては対応していないという事もあり、あえてMountain Lion、Yosemite、EL Capitanなどといった以前のバージョンで使っている方も多いと思います。
ただし、Apple側の意見からするとバッテリーを長持ちさせたいのであれば、現時点ではmacOS High Sierraを選択してくださいといった所でしょうか?
バッテリーの消耗だけを考えて最新OSにアップデートする方はあまりいないように思われますのでこの選択は非常に難しいですね。
極端な周囲温度を避ける
Macbook、Macbook Air、MacbookProはノートパソコンになりますのでユーザーは持ち運ぶ事を意識して購入すると思います。
ですので理屈から考えてもこれは無理ですね。
ケースはできるだけ使わない
本体を保護する目的で販売されているケースがバッテリーの劣化、寿命に悪影響との事です。
ケースを取り付ける事でMac内部にこもった熱が外に逃げづらくなるのが原因だそうですが、
熱で影響があるとすればロジックボードあたりだけかな?と思っていましたので修理店目線からするとこれは意外でした。
パソコンを設計、製作する段階でケースを取り付ける事までは意識しないと思いますが、言われてみれば納得できます。
ただしケースもおしゃれな物が色々と発売されている事でMacをカスタマイズをされる方は非常に多い為にこの内容も現実的ではないですね。
保管する場合はバッテリーの残量は50%程度
この内容は昔から言われている事ですが、
電源を落としてMacを保管する際は、重放電、過充電にするのではなく、残量50%程度が目安のようです。
上記の内容はどれも現実的でなかったですが、この中では一番対応できる内容ですね。
【結論】
バッテリーの寿命を考えてMacを使う方法は色々とあるみたいですが、正直言って上記の事は考えずにMacを使う事が最善と思っております。
今までに何台もMacのバッテリー交換をしてきておりますが、新品購入して1年足らずで「今すぐ交換」と表示されている方もいました。
リチウムイオンバッテリーには寿命がある為に必ず交換時期は来ますが、バッテリー交換は1万から2万円でできる内容ですのでストレスを抱えるよりは良いのかと思いました。
以下は実際に修理依頼のあった内容ですので参考にしてください。
事例 1
【故障のお問い合わせ内容】
バッテリーの状態が、《今すぐ交換》となっているので、バッテリーを交換していただきたいです。
お見積もりをお願いいたします。
との事でした。
MacbookProを当店まで送っていただきすぐに調査を開始させていただきました。
まずバッテリーの状態を見る為に本体側面にあるインジゲーターのランプを確認することにいたしました。
このランプはMacbookProの電源を入れていなくてもバッテリーの残量を確認することができる部分になりますが、ボタンを押しても反応がありませんでした。
バッテリーの残量次第では緑色のランプが点灯、点滅をいたしますが、全く反応がなかった為にバッテリーに充電がされない状態になっていることがわかります。
次はMacbookPro本体を分解しバッテリー交換をさせて頂きましたが、バッテリー交換後は問題なくインジゲータが点灯するようになりましたのでバッテリー故障が原因であった事がわかりますね。
MacbookProのバッテリー交換をしACアダプタなしで電源を入れた所、正常に起動することがわかりましたので今回の故障内容はバッテリー交換であることわかります。
バッテリー交換前は本体横にあるインジゲーターは無反応でしたが、正常に点灯するようにもなっております。
MacbookPro A1278 (MC375J/A) は2010年に発売されたモデルになりますので、Macのヘビーユーザーであればそろそろ交換時期かもしれませんね。
今回のタイトルにもある「今すぐ交換」と表示される部分は画面の右上にある「Wifi」「スピーカー」のアイコンがある部分になりますが、この部分にバッテリーマークがありそこに表示されるようになっております。
右上を見たときに「今すぐ交換」と表示されている場合はバッテリー交換が必要になる可能性が高い為に修理店に相談されることをお勧めいたします。
今回のモデルA1278はMacbookProとしては2010年以外にも複数あり、それぞれ使うバッテリーは異なります。
ですので当店にバッテリー交換で依頼をしていただく場合は年式もお聞きしておりますので、事前に確認をお願いいたします。
事例 2
【故障のお問い合わせ内容】
おそらくバッテリーが膨張しているのが原因と思いますが、本体の裏蓋が開いてきている。
バッテリー起動だけでは電源が入らない。
裏蓋の隙間からバッテリらしき物が膨らんでいるのが確認できる。
との事でした。
まずは以下の画像をご覧ください。
以下のバッテリーはMacbookPro 15インチA1286になりますが、純正のバッテリーになります。
バッテリーが膨張しているかもとの事でしたのでドライバーを使い裏蓋を開けようとしましたが、なかなか外れません。
ある程度力づくで開封をした所、バッテリーが以下のように膨張しておりました。
ちょうど同じ時期に2台修理依頼がありましたが、両方とも膨張している事がわかります。
一番膨らんでいる部分の高さは3cm程ありますのでよく裏蓋内で収まっていたと思いますね。
バッテリーの膨張を見抜く方法はいくつかありますが、
「トラックパッドが押せない」
「裏蓋のネジが数本なくなっている」
「今すぐ交換」
の場合は注意が必要です。
今すぐ交換の場合は表示される為にわかりやすいですが、判断が難しいのが真ん中です。
トラックパッドが押せない場合は明らかにいつもと違うので、何かがが壊れているかも?と気づきますが、裏蓋のネジがなくなっている場合は怪しいです。
MacbookPro 1286は裏蓋のネジが全部で10本ありますが、今回の修理前は4本無くなっておりました。
おそらくバッテリーの膨張でネジが吹き飛んだと思いますので裏側をみた時にネジが無くなっている場合は修理店でメンテナンスを含めみてもらった方が良いですね。
事例 3
【故障のお問い合わせ内容】
MacbookAirを使っておりますが、バッテリーのみでの起動が怪しくなってきました。
起動できている時に右上のアイコンにバッテリー交換の表示が出ている為に修理をお願いしたいです。
Macをお預かり後にシステムプロパティからバッテリーの状態を確認すると今すぐ交換と表示が出ておりました。
この場合はバッテリーが消耗(劣化)してしまっている為にバッテリー交換が必要です。
MacbookAirのバッテリー交換後に再度システム設定より状態の確認をしましたが、以下のように表示されました。
MacbookAirは古いパソコンのイメージはありませんが、初代モデルが2008年位に発売されてますので今となっては10年前になります。
2010年あたりにさらに液晶が薄くなり現行機種と同じ形状になりましたが、2010年から2012年モデルをお使いの方はそろそろ交換の時期になってくると思いますね!